奥歯や前歯の歯茎が腫れて白い・膿の原因・歯周病?セラミック?

歯茎の腫れの原因は歯周病であることがほとんど

歯茎の腫れの原因は歯周病であることがほとんど歯茎が腫れたときには、第一に歯周病が疑われます。「腫れ」というとパンパンに膨れ上がった様子をイメージされるかもしれませんが、歯茎の場合はブヨブヨと張りがない状態も「腫れ」に含まれ、こちらも歯周病である可能性が高いと言えます。
ただ、それ以外の原因によって歯茎が腫れることもあります。以下の項目でご紹介いたします。

不適合なセラミック も歯茎の腫れを引き起こす

セラミック治療とは

セラミック治療とは、白い陶材で作製された詰め物・被せ物を使って歯を補う治療です。
保険診療の場合、虫歯治療で歯を削った部分にレジン(歯科用プラスチック)や銀歯などで補うことになりますが、これらの素材には審美性が劣る、虫歯の再発(二次カリエス)が起こりやすい、劣化しやすいなどの問題点があります。
一方、セラミックには天然歯のような白さ・透明感が再現できる、歯との適合性が高いので二次カリエスが起こりにくい、耐久性が高いなどの特徴があります。
また、金属不使用(メタルフリー)なので金属アレルギーの原因となりません。
ただし、セラミック治療は保険適用外(自費診療)なので費用がかかります。

セラミックの被せ物と歯の適合が悪い場合

歯との適合性に優れたセラミックですが、精度が低くて歯との適合が悪い場合、歯茎の炎症や痛み、腫れ、出血、膿が出るなどの症状が現れることがあります。
ただし、セラミック治療の際には歯と被せ物の境目に段差ができないように、丁寧にマージン(境界)を形成するので、基本的には保険診療の時よりもこうしたトラブルが起こるケースは少ないです。

歯肉の下まで歯を削ってセラミックをかぶせた場合

歯茎の舌まで歯を削った後、セラミックの被せ物を入れる場合があります。
この時、あまり深くまで被せてしまうと、違和感が生じるケースがあります。

歯周病以外の歯茎が腫れる原因

歯の根元に細菌が繁殖している

歯の根元に細菌が繁殖している虫歯を放置するなどして歯髄にまで達すると、細菌が歯の根で炎症を起こし、歯茎の腫れが生じます。
早急に歯科医院で治療を受ける必要があります。

親知らずの周りの歯茎の炎症

親知らずの周りの歯茎の炎症親知らずが正しく生えずに汚れが溜まっている場合、また埋まっている状態でも周囲の組織を圧迫している場合には、歯茎で炎症・腫れを起こすことがあります。
歯科医院に相談し、親知らずの抜歯を検討しましょう。

抜歯後に残った歯の破片が原因の場合

抜歯後に歯の破片が残り、それが歯ぐきの炎症・腫れの原因になることがあります。
歯科医院で取り除いてもらいましょう。

歯肉炎

歯肉炎歯磨きや硬い食べ物などで歯茎が傷つくと、皮膚と同じように腫れることがあります。
お口の中を清潔にして、2~3日様子を見てください。腫れが続いたり、症状が悪化するようでしたらご相談ください。
もちろん、すぐに受診してくださっても結構です。傷の治癒を促す処置をします。

顎の骨・歯茎の腫瘍

稀なことですが、顎の骨髄炎、口腔がんなどによって歯茎が腫れることもあります。
歯科医院に相談し、その上で病院の口腔外科などへと紹介してもらいましょう。

歯周病が原因の歯茎の腫れを放置すると

歯周病が原因の歯茎の腫れを放置すると歯周病が進行すると、歯を支えている顎の骨が、歯周病菌の産生する毒素によって溶かされていきます。同時に顎の上の歯茎も下がり、歯が長くなったように見えてきます。歯茎から膿が出るようになると、独特の口臭も強くなります。そして最終的には、歯の脱落に至ります。
このように、歯周病は歯を失う可能性のある病気です。歯を失う原因としては、虫歯よりも歯周病が多くを占めています。
症状がほとんど現れないからこそ、症状のないうちに予防に取り組むことが大切になります。

歯茎が腫れて痛いときの自分でできる応急処置

歯茎が腫れて痛いときの自分でできる応急処置歯茎が腫れて痛いとき、ご自身できる応急処置をご紹介します。なおこちらは、あくまで応急処置ですので、腫れや痛みが治まったとしても、その後できるだけ早く歯科医院を受診するようにしてください。

患部を冷やす

氷嚢やそれに代わるものを、頬の外から当てて冷やすと痛みが和らぎます。

ノンアルコール系のマウスウォッシュ、うがい薬の使用

ノンアルコール系のマウスウォッシュ、うがい薬による口腔内の殺菌も有効です。
アルコール系のものは腫れを悪化させることがあるので、避けてください。

しっかり休む

体調不良や過度のストレスなどで抵抗力が落ちていると、腫れや痛みも強く現れやすくなります。
栄養のあるものを食べ、心身を休ませることも、痛みの軽減のために大切です。

痛み止めを使用する

市販されている痛み止めも有効です。
特に夜間など歯科医院を受診できない状況で、眠れない・食べられないほど痛む場合には、この方法がおすすめです。

歯ブラシはやわらかいものを使う

炎症の原因となる細菌を除去するためにも、痛みがあっても歯磨きは必要です。
毛の硬い歯ブラシは歯茎への刺激が強いため、やわらかいものを使ってください。

セラミック治療後の歯茎の腫れ・痛みの治し方

噛み合わせの調整

噛み合わせに問題があると、セラミック治療後に歯茎が腫れたり、痛みが生じたりすることがありますので、噛み合わせのチェックを行い、補綴物を少量削るなどの調整を行います。
こうした噛み合わせの調整は、補綴物を外さずに行うことが可能です。

マウスピースで歯を守る

歯ぎしり・食いしばりがある場合、歯に強い力が加わって歯茎の腫れ・痛みを引き起こすことがあります。
これを防ぐために、マウスピースを使って治療を行う場合があります。
マウスピースにより歯ぎしり・食いしばりの負荷から歯を守ることで、腫れ。・痛みが改善される場合があります。

清掃

補綴物を固定するために専用の接着剤(セメント)を使用しますが、余剰セメントをきれいに清掃することで腫れや痛みなどの症状が緩和されることがあります。

セラミックの再治療

歯茎の腫れ・痛みが続く場合には、セラミックの再治療を検討します。
問題のあるセラミックを取り除いて、新しく作製した補綴物をセットします。
今入れているセラミックに問題があるかどうかは、外さなくてもレントゲン・CT検査などで確認できる場合もあります。

歯茎の腫れを予防するには

歯茎の腫れを予防するには

「歯周病による歯茎の腫れ」または「それ以外の要因による歯茎の腫れ」のいずれの場合においても、以下のようなケアによる予防が可能です。
日頃から気をつけておきましょう。

丁寧で正しい歯磨きを

細菌などの付着は、歯茎の腫れの大きな原因です。歯の裏側、歯間、歯と歯茎の境目、奥歯の溝・裏側などを注意して磨きましょう。
また、食後はできるだけ早く歯磨きをしましょう。

歯周病菌への効果が期待できる歯磨き粉を

近年は、さまざまなタイプの歯磨き粉が市販されています。
歯周病予防のための歯磨き粉もありますので、そういったものを選ぶと良いでしょう。

自分に合った歯ブラシの選択を

奥歯の裏が磨きにくいと感じたときには、ヘッドの小さい歯ブラシに変えてみましょう。
歯ブラシの毛のタイプは、歯茎を傷つけないためにも、「やわらかめ」か「ふつう」をおすすめします。電動歯ブラシを使うのも良いでしょう。
選び方が分からないというときには、当院にご相談ください。患者様のお口に合ったものをご提案いたします。

どうしても食後に歯磨きができないときは、ゆすぐだけでも

お仕事や家事などで、どうしても食後に歯磨きができないときもあります。
そういったときには、口をゆすぐだけでも細菌を洗い流す効果があります。

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