床矯正とは
歯並びが乱れる原因の1つに、顎の成長の不十分に伴うスペースの不足が挙げられます。現代は硬いものを噛む機会が少なく、昔と比べると顎の成長が不十分である方がが多くなっています。
床矯正(しょうきょうせい)は、歯がきれいに並ぶよう、床矯正装置で顎を広げて十分なスペースを確保しながら歯を適切な位置へと誘導する矯正方法です。
食事・歯磨きの際には装置を取り外せます。装着時間は1日12時間以上とされていますが、長い時間装着するほど、全体の治療期間が短くなることが期待できます。
床矯正のメリット&デメリット
メリット
原則として非抜歯
顎を広げることで、歯がきれいに並ぶためのスペースをつくります。そのため、原則として歯(永久歯)を抜く必要がありません。
歯磨き・食事などにストレスがない
装置を取り外して歯磨き・食事ができます。そのため、磨きづらい、食べづらいというストレスがありません。
その他、用途に応じて、装置を外して頂けますが、もし不安でしたら医院にてご相談ください。
※1日12時間以上の装着時間は守ってください。
虫歯リスクの上昇を抑えられる
固定式の装置のように、歯磨きが難しくて磨き残しが増える、食べかすが挟まったままでプラーク・歯石が増えるということがありません。虫歯リスクの上昇が抑えられる矯正方法と言うことができます。
デメリット
後戻りを起こすことがある
どのような矯正治療にも言えることですが、歯がきれいに並んだあと、元の位置に戻ってしまう「後戻り」を起こす可能性があります。
床矯正装置での治療が終わってからは、後戻りを防ぐためにリテーナー(保定装置)を使用します。
対象ケース(歯並び)
上顎前突
上の前歯が、大きく前方へと突き出しています。
いわゆる「出っ歯」という状態です。
下顎前突
下の前歯が、上の前歯よりも前方へと突き出しています。
いわゆる「受け口」という状態です。
上下顎前突
上下の前歯が、揃って前方へと突き出しています。
口を閉じたときにも口元が膨らみ、顔貌へと影響します。
叢生
歯列がきれいなアーチを描かず、ガタガタと前後にズレている状態です。
口を開いたときの印象がよくありません。
開咬
奥歯を咬み合わせても、上の前歯・下の前歯のあいだに上下方向の空間が生じる状態です。
食べ物を咬みきれない、喋るときに空気が漏れるといった弊害が生じます。
過蓋咬合
開咬とは反対に、咬み合わせが深すぎる状態です。
上の歯が、下の歯に大きく被さっています。歯の擦り減りが早く進むおそれがあります。
交叉咬合
上下の歯の噛み合わせが、一部逆(下の歯が上の歯に被さっている)になっている状態です。
通常の矯正歯科治療との違い
非抜歯での矯正治療が可能
装置で顎を広げ、スペースを作り、歯が正しい位置に並ぶよう促す治療です。
そのため、原則として抜歯は不要です。歯の数が減ることで咀嚼力が低下すると言われていますので、これを防ぐためにはできる限り非抜歯で矯正治療を行うことが望ましいとされています。
取り外し式であるためストレスが少ない
床矯正装置は、歯磨き・食事の際に取り外せます。磨きにくい・食べづらいということがなく、固定式の装置と比べるとストレスが少ないと言えます。
比較的安価
従来の小児矯正の治療法と比べると、費用が抑えられます。
床矯正の料金
内容 | 料金 |
---|---|
床矯正 | 550,000円~880,000円 |
検査・診断料 | 33,000円 |
調整料 | 3,300円 |